応対も時は金成が創るメタバース世界

世の中の真理と仕組みについて理解を深め、自分だけの『人生の攻略本』の作り方を、リアルタイムでお伝えする、前代未聞の謎のブロガー。まだ見えぬはずの成功法則を、アニメやゲームに例えながら、欲求と共に読者の皆さまに届けます。

リアルティ少女1話:1秒先の未来に懺悔

バーチャルライブ配信アプリREALITY(リアリティ)をモデルにした

完全フィクション物語「リアルティ少女」について

本日もご閲覧頂きまして、誠にありがとうございます

小説家になろう」「カクヨム」にて先行配信中!

リアルティ少女 でGoogle検索よろしくお願いします( ´艸`)

 

 

前回までのあらすじは下記リンク先をご参照くださいませ

 

リアルティ少女1話:1秒先の未来に懺悔スタート

 

私が1秒先を生きることを後悔したのが、この日が初めてだった。

一瞬にして全ての世界が変わり、暗いどん底の闇に落ちていく感覚。

痛みも恐怖も無く、どれぐらいの時間が過ぎたのかも分からない。

ただ彷徨っている。私は1人孤独に、何処か行く当ても無く、ただ1人・・・。

 

気づけば太陽が昇っていた。

9月だというのに昼間の室内は30度以上を超えている。

朝は18度ぐらいだったので、長袖長ズボンのもこもこした白黒パンダ柄のパジャマを着ている。

 

「暑い・・・」

部屋の中は散らかっていた。

どういうわけか、私の部屋は本棚の上にソファーが2つも浮いている変な部屋だ。

ピンクのベッドには可愛いくまちゃんのぬいぐるみを1つ置いている。

私はロフト化したようなその2つ並んだ空中ソファにいつも座っている。

そこが落ち着く・・・。私はそういう人間なのだ。

これが理解出来る人でなければ、私と会話が成り立たない

 

※上記画像はイメージ図

「香奈梨、起きてる?朝ごはん出来てるよ」

母が私を呼んでいる。ご飯はヤマ〇キパンのロールと、トマトやレタスの入った青じそのかかったドレッシング、ヨーグルトが1つ、それとキウイ、リンゴ、パイナップルの組み合わせのフルーツが毎回朝食で出てくる。

母は口癖のように健康第一と言う。長生きすること、そして美味しいものを食べているのが一番の幸せだと言っている。

 

私は朝食を食べた。

学校の緑襟のセーラー服と青いプリーツスカートを穿き、玄関先で靴を履いた。

「行ってきます」

母親に手を振り、私は急いで走っていった。

 

口には朝食べきれていないロールパンを咥えて走っていく。

よく角で運命の人と出会うなんて話を聞くが、当然そんなことは何もなく、学校に着き、私は学校のチャイムギリギリで着席をした

 

出席を取るぞ~、と担任の先生が言う。

2年生は2階の校舎が教室で、そこからの日差しは強かった。

私は窓際の端の席に座っていて、ポツンと1人。

 

誰も私の存在に気づかない。

出席で名前を呼ばれたら、その日はそれで終わりだ。

クラスの同級生から私の名前は今日一日、これ以上呼ばれることはないのだ。

クラスのいじめと聞くと、暴力・陰口が大半だろう

上履きを隠される、ノートに「死ね」と大きく書かれる、教科書をゴミ箱に捨てられる

使っていたペンを借りると言い、一生返してもらえないなど、色々とある

それは全て物理的な苦痛を浴びせられている状態だ

何故なら自分の保有している物が対象だから、物理的苦痛なのだ

 

しかし私の場合のいじめは違う

それは私のことを無視するという状態である

つまり無関心ということである、クラスの皆には私の存在など眼中に無いのだ

だから私は出席とったらもう、名前を呼ばれることが無い

 

マザーテレサの言葉の中に「愛情の裏返しは憎悪ではなく、無関心」という言葉がある

これがどれほどの精神的苦痛を感じるのか、奴らに理解は出来ないだろう

何故ならこれは体験したものにしか分からない精神的苦痛、自分の存在を否定されている太宰治風に言えば「人間失格」と言っても道理

私のこの世の価値は、金額で言う「0円」なのだ

 

だけどそんな私にも天使がいる

隣のクラスの同級生「菜緒」という女の子だった

菜緒は私と同じショートヘアで髪色が栗色にかかっており、深いワインレッドのような瞳は私の眼と違ってパッチリ開いている

 

菜緒は将来お医者さんになると言って勉強を頑張っている

頭もよく、記憶力もよいから難しい辞典でも全て読んで暗記が出来る

趣味でよくカラオケなんかもいくわけだが、普段の話している声と歌声は別人かのような歌唱力であった

 

正直私には無いものばかりで菜緒が羨ましかった

女子にとって目力は大事。私の眼は常に半開きで眠たそうな目をしているのに、菜緒の眼は綺麗にパッチリ二重になっている

正直私は自分の顔にコンプレックスを抱いている

 

自分の顔が嫌いなわけではない

でも、世の中顔だけじゃないと言っても、やはり容姿は大事

美人は2,000万円ぐらい人生で得しているという本すら世の中に出回ってる

「はぁ・・・」

溜息をつきながら部活もサボって近くのコンビニでアイスを買って帰宅した

 

私は本棚の上にある水色のソファベッドによじ登り、アイスを食べ終えてそこで横になりながらスマホをいじっていた

ツイッツーのおすすめ欄をながめながら、何か面白いツイートないかな~って探す日々だった

そんな時、一つの広告が目に入ってきた

 

顔出し不要、機材も初期費用も一切不要

スマホ1つでいつでもどこでもライブ配信!!

REALTY(リアルティ)では、自分好みのアバターを作り、顔を出さずにライブ配信が出来ます

是非メタバースの世界で、現実世界で実現できなかったなりたい自分を仮想世界で!

 

私は思わず二度見した

「なんだろうこれ、REALTY(リアルティ)?」

バーチャルの世界でライブ配信をする、いわばVライバーというものだった

最近よくYoutuberだけでなく、Vtuberという言葉も耳にする

Vtuberは二次元世界のアニメキャラのような姿で動画投稿する人を指す

今回のREALTY(リアルティ)は動画投稿はしないが、その場でライブ配信を行い、色んな世界の人と繋がれる

課金コンテンツは2つあるが、1つは自分のアバターを作るために必要な衣装ガチャ、もう1つは推し活する時に必要なギフト(投げ銭)による課金だった

最低限の初期アバターなんかは既に準備されているわけである

なので、私は疑心暗鬼ながらも「なりたい自分」になれるものと思い、アプリをダウンロードした

 

「まあ、どうせ無料だし。飽きたら辞めればいいか」

部屋の片隅にひっそりと息を潜めている思春期の女子中学生が何かを始める理由なんて、いつだってそんなに深く何かを考えて行動しているわけじゃない

ただ今の自分をどうしていきたいのか、何か現状変えるきっかけとなるのか、いやそういう理由じゃない

私は、幸せになりたい

 

ブスは3日で慣れるというけど、隣に顔が可愛い女の子が立てば引き立て役だの、なんだのとまるで周りの男は眼中に無く差別をしてくる

周りの女子からも当然、「私とあなたじゃ違うのよ?」と見えないスクールカーストが浮き彫りになってくる

「悪かったわねブスで・・・私だって、好きでこんな顔で生まれたわけじゃないのに」

アプリのダウンロードが完了した頃、私の瞳から1粒の大きな雫が落ちた

それを座っていたソファベッドに濃く染み込み、ひんやりと濡らした

 

REALTYアプリを起動したらまずはSNSアカウントの連携から始まる

どうやらツイッツーやLIMEなんかでも連携は出来るみたいだ

難しい操作は特に求められなかったので、無事ログインが出来た

 

早速初期アバターを設定した

出来る限り今の自分の姿に似たようなアバターを作りたかった

人によっては、例えば中身が男性の人にとって、好みの女性アバターを作ってそれを動かす人もいる

私の場合は、今の自分の姿を否定されているのは現実世界だからであって、仮想世界ではそうでないと信じたいから、それに似たアバターを作りたい

だけど、顔はやっぱり可愛い方がいい

 

「よし、出来た」

黒髪のショートヘアーに赤い瞳で目がぱっちりとしている

あとは、同じような緑襟セーラー服というものが欲しい

お試しでガチャチケというものをREALTY運営から頂いたが、どうやらこれで1回無料でアバター衣装ガチャが回せるらしい

お目当てのセーラー服が来るかどうかは分からない

1回500コイン(現実世界でいう500円玉)はするが、今回は無料で手に入れたガチャチケを使って回した

確率的に金クマが5%、銀クマ25%、茶クマ70%という割合だ

どうせ無料だし、とりあえず回すか

 

茶クマのぬいぐるみのようなものが私のアバターの前にストンと降りてくる

それをタップするとクマが動き出した

初めてみたが、1回目のジャンプで茶クマは銀クマとなり、2回目のジャンプで銀クマは金クマになった

「え!?嘘!?一発で」

オンラインゲームなんかではよくありがちな、ビギナーズラックというものを体感した

確率的に5%以下と言われている金クマを出し、しかも私のお目当ての衣装の緑襟セーラー服をこのメタバース世界でも手に入れることが出来たからだ

早速当てたアバター衣装を試着してみた

 

「これがこのREALTY世界の私の姿!?すごく可愛い」

理想的な女子が目の前にいる

しかしそれを動かすのは、私なのだ

「ヤバイ・・・これは癖になるかもしれない」

 

私はテンションが上がってしまい、あやうくソファベッドから落ちるところだった

体勢を戻して、自分の目の動き、顔の動きに連動してスマホの中のアバターが動いていることを確認し、次に行うのはいよいよバーチャル世界でのライブ配信

問題はどれぐらいの人が初配信時に来てくれるかである

 

この世界での私の名は「かにゃりー」

とりあえずまず自分が配信を始める前に人気配信者はどんな配信をしているか

試しにかわいいうさぎのぬいぐるみを持って写真映りが良い人のライブ配信を見てみることにした

 

私と同じ髪型なんだろうか?でも少し違う気がする

セーラー服の色も違うけど、なんだろう?

これが俗にいう課金アイテムによる「アバター衣装」なのか?

とりあえず配信を見てみるとする

 

かにゃりーさんが入室しました。

天照と月読を使いし者:カワボ!カワボ!カワボ!カワボ!

女の子の身体の事もっと知りたい が愛している×10をあげました

転生したらおたまじゃくしだった件さんが入室しました。

くらげ:やばいwww癒されるはこ治の歌wwwww

福山〇治だよ:こんばんはー!!

 

歌ライバー「ごめんなさいが聞こえないー?粛清ロリ神ラプソディア~♪」

 

天照と月読を使いし者 が名前入りケーキタワー×3をあげました

女の子の身体の事もっと知りたい が名前入りケーキタワー×10をあげました

くらげ がスタジオ壁紙をあげました

山田陽介だよ がハートシャワー×10をあげました

 

歌ライバー「その姿親に見せられますか~?

わぁ、名前入りケーキタワーたくさんありがとう

お疲れ様です~^^」

 

・・・?。

私はわずか1分でその配信枠を退室した

「なんだ今の配信・・・?」

注目枠の一番上にいたのと、アイコン写真が可愛かったから入ってみたけど

いやとにかく歌声は可愛くて、すごく楽しい雰囲気だったんだけど

なんだろう・・・あのリスナー達のノリがちょっとついていけない(汗

 

「〇〇をあげました」というのがおそらくギフト(投げ銭)なんだと理解した

とにかくたくさんあのギフトをリスナーから貰えれば、私も人気ライバーになれるのかなと、そう感じた

 

とりあえず私は歌が上手いわけではないので、とりあえず真似できるところから真似る

まずは同じようにうさぎぬいぐるみを抱っこして写真を撮影してみる

 

私のはまだまだ初期アバターだから、さっきの人気ライバーみたいに可愛いアバターは造れないけど、これから少しずつアバターも集めていけばいい

 

ドキドキしながらライブ配信開始ボタンを押す

配信タイトル(枠タイ)は「かにゃりーの配信だよ♪」という初期設定にしてみた

いよいよリアルティ少女としての、配信デビューが始まる

 

次回「リアルティ少女2話:ビギナー狩りに遭遇」

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